今回ご紹介するモンサンミッシェル(Mont Saint-Michel)は、フランスのノルマンディー地方に位置する美しい小島で、その頂上には修道院がそびえ立っています。
この修道院は1000年以上も前からカトリックの巡礼者を集めてきた歴史があります。
また、この島はユネスコの世界遺産に登録されており、フランスでも屈指の観光地として知られています。最大の特徴は簡単に言うと、やはり海に浮かんだ姿の修道院ですよね。
ただし、パリとは300km弱(東京-名古屋くらい)離れておりアクセスはやや不便…それでも絶対に行ってほしい魅力があふれるのがモンサンミッシェルです!
この記事では、モンサンミッシェルへの行き方から現地で観光する際に役立つ見学ガイドをご紹介します!魅力が多くの方に伝わればうれしいです!
観光に行く前に事前知識としてチェックしていただけるとより観光が楽しくなると思います♪
目次
モンサンミッシェルとは
モンサンミッシェルというのは8世紀初頭にできた修道院です(島の名称でもあります)。
こんなにも広大で美しい修道院は類を見ないですよね。
そしてモンサンミッシェルの圧倒的有名な理由のひとつとしては、歴史的背景が大きいともいえるでしょう。
モンサンミッシェルの簡単な歴史をお伝えすると、長い年月の間に修道院・要塞・監獄と役割を変え、建築様式を変え、再建を重ね今の姿に至ります。こちらも詳しく解説していきます!
モンサンミッシェルの構造
モンサンミッシェルの構造は現在3階建てになっており、聖職者のための「回廊」と「食堂」、中層階には「騎士の部屋」と「貴賓室」、そして1階には「貯蔵室」などがありそれらを観光をすることができます。
観光できる部屋とエリア
修道院教会(Abbey Church)
修道院の頂上に位置する教会は、観光のハイライトの一つです。大天使ミカエルに捧げられたこの教会は、壮大な建築と美しい内部装飾が特徴です。
ラ・メルヴェイユ(La Merveille)
ラ・メルヴェイユの主要な部屋やエリアを見学できます。
- 騎士の部屋(Salle des Chevaliers): 美しいゴシック様式の部屋で、修道士たちが学問や写本制作を行った場所です。
- 修道士の食堂(Réfectoire): 修道士たちが食事を共にした場所で、静かな雰囲気が漂います。
- クロワール(Cloister): 美しい庭を囲む回廊で、修道士たちが瞑想や読書を行った場所です。
大広間(Great Hall)
かつての会議や重要な行事が行われた場所で、壮大な内部空間と装飾が特徴です。
スクリプトリウム(Scriptorium)
修道士たちが写本を制作した場所です。ここでは、中世の写本制作の技術や歴史について学ぶことができます。
台所(Kitchen)
修道士たちの食事を準備した場所です。大きな暖炉や調理器具が展示されており、中世の台所の様子を伺うことができます。
礼拝堂(Chaplain’s Hall)
巡礼者や訪問者が祈りを捧げるための礼拝堂です。
観光できない場所
モンサンミッシェル修道院の一部には、観光客が入れない場所もあります。修道士たちのプライベートな生活空間や修復中のエリアなどです。最新の情報は公式ホームページよりご確認ください。
モンサンミッシェルがこの地にできた理由
モンサンミッシェルの歴史は、708年にオベール司教がキリスト教の中で偉大な天使の一人である大天使ミカエルのお告げを受けてこの地に礼拝堂を建てたことに始まります。
司教は夢の中でミカエルから島に礼拝堂を建てるように命じられ、その後モンサンミッシェルは急速に宗教的な巡礼地としての地位を確立しました。
今も修道院の頂点(尖った屋根の先)には、黄金のミカエルの像を臨むことができます。
モンサンミッシェルの修道院に入る前には日本語のパンフレットもあり、詳細な説明がありますのでぜひ手に取ってみてください!
モンサンミッシェルの魅力をご紹介
海に浮かぶ神秘的な姿
モンサンミッシェルは、フランスのノルマンディー地方に位置する歴史的な島で、潮の満ち引きによって本土と隔てられることが特徴です。
モ干潮時には陸続きになりますが、満潮時には完全に海に囲まれます。海に浮かぶモンサンミッシェルはとても神秘的な印象を与えます。
以前は満潮時には修道院へ行けなかったのですが、2014年に歩道橋がができたことによりいつでも向こう岸へ行けるようになりました!
建築の美しさ
モンサンミッシェルの修道院は、ゴシック様式の建築美が際立ちます。しかし、当初から今の姿だったわけではありません。
10世紀から16世紀にかけて何度も改築や拡張が行われ、その過程でロマネスク建築からゴシック建築へと変遷しています。
特に注目すべきは、13世紀に建設された「ラ・メルヴェイユ(驚嘆)」と呼ばれる修道院の一部です。画像の3階建てになっている箇所ですね。最上階は回廊になっています。
この繊細なゴシック建築は技術的にも美術的にも優れてるため、この名前がついたほどです。
また、回廊の美しさはため息がでるほどです!この回廊は、修道士たちが瞑想や読書、祈りを行うための静寂な空間として設計されており、優雅なアーチと柱が並ぶ美しいデザインが特徴です。
回廊からは修道院の中庭を見下ろすことができ、その風景からは静けさと平和を感じることができます。タイムスリップしたかのような時が止まっている空間をぜひ感じてください。
ほかにも修道院の大聖堂やクワイヤー(聖歌隊席)はその壮麗さで有名です。石造りのアーチや彫刻は、中世の建築技術の高さを物語っています。
実際にその場に佇むと、荘厳な雰囲気の中に飲み込まれるような感覚がありました。歴史的な背景もあり、修道院とは言えども他とは違うということを肌で感じます。
8世紀初頭から紡がれてきた歴史の重み
起源と初期の歴史
モンサンミッシェル修道院の歴史は、8世紀初頭に遡ります。
708年、アヴランシュの司教オベールは、大天使ミカエルの幻視を受け、この岩山に修道院を建設するよう指示されました。
当初は小さな礼拝堂が建設され、その後、ベネディクト会修道士たちがこの地に定住し、本格的な修道院の建設が始まりました。
10世紀から12世紀
10世紀にはノルマン人の侵攻を受けたものの、修道院は生き残り、さらなる発展を遂げました。
966年、ノルマンディー公リシャール1世の支援を受けて、ベネディクト会が正式にモンサンミッシェルに入植し、修道院の再建が始まりました。
12世紀になると、修道院はさらなる発展を遂げました。特に、1103年に完成した新しい教会は、モンサンミッシェルの象徴的な建物の一つとなりました。
また、この時期には修道院の図書館が充実し、多くの写本が保存されました。
13世紀から14世紀
13世紀には、フランス王フィリップ2世の支援を受けて、修道院の大規模な再建が行われました。
この時期に建設されたのが「ラ・メルヴェイユ(驚異)」と呼ばれる建物群です。
14世紀には、百年戦争が勃発し、モンサンミッシェルはその戦略的な位置から重要な軍事拠点となりました。
修道院は要塞化され、城壁や塔が建設され、フランス軍の防衛拠点として機能しました。
この期間中、イングランド軍は何度もモンサンミッシェルを攻撃しましたが、修道院はその防御力によってこれを退けました。
15世紀から17世紀
15世紀には、修道院の再建と拡張が続けられました。
特に注目すべきは、聖ミカエル像の設置です。
金色の聖ミカエル像は修道院の頂上に立てられ、今日でもモンサンミッシェルの象徴となっています。
しかし、16世紀には宗教改革とフランス国内の宗教戦争の影響を受け、修道院は次第に衰退していきました。
修道士の数は減少し、修道院の財政も悪化しました。
17世紀には、フランス王ルイ13世の命令により、修道院の改革が行われました。
この改革により、修道院の規律が再び厳格化されましたが、完全な復興には至りませんでした。
18世紀から19世紀
18世紀になると、フランス革命が起こり、修道院は大きな打撃を受けました。
修道士たちは追放され、修道院の建物は国有財産とされました。
1793年から1863年にかけて、修道院は監獄として利用され、多くの囚人が収容されました。
しかし、19世紀半ばになると、モンサンミッシェルの歴史的価値が再認識され、修道院の修復が始まりました。
1862年には、モンサンミッシェル修道院はフランスの歴史的記念物に指定され、修復工事が本格的に進められました。
20世紀から現代
20世紀には、修道院は観光地としての人気を高め、多くの観光客が訪れるようになりました。
特に第二次世界大戦後、修道院の修復と保存がさらに進められその美しい姿が再び甦りました。1979年には、モンサンミッシェルとその湾はユネスコの世界遺産に登録されました。
修道院では現在もベネディクト会の修道士が活動を続けており、祈りと瞑想の場としての役割も果たしています。
グルメとお土産も魅力的!
モンサンミッシェルでは、地元の名物料理を楽しむことができます。
特に有名なのは、「ラ・メール・プラール」のオムレツです。ではなぜ、オムレツが有名になったかというと、モンサンミッシェルに巡礼してくるキリスト教徒のために振る舞ったことがきっかけです。
プラールという方が、モンサンミッシェルへ巡礼にきたときに精進料理しか食べることができない人のためにもっと栄養をつけてもらいたいと考案したことからご当地グルメへと定着しました!
何よりの特徴はたっぷりの卵を使ったふわふわのスフレ感です。1人前で3つの卵を使用して作られているようです。
栄養目的だと思うのですが、とっても味が濃くどっしりしたオムレツです。1回食べれば満足です…(笑)
また、特産品としては、塩キャラメルや焼き菓子などが人気です。至る所にお土産ショップがありますので覗いてみてくださいね♪
モンサンミッシェル訪問時の注意点
季節ごとの服装のポイント
- 春(3月〜5月)
- 服装: 寒暖の差が激しいため、重ね着をお勧めします。日中は暖かくても、朝晩は冷えることがあります。薄手のジャケットやカーディガンが便利です。
- 靴: 歩きやすい運動靴やトレッキングシューズが最適です。
- 夏(6月〜8月)
- 服装: Tシャツなどの真夏の服装で大丈夫ですが、日焼け止めや帽子を用意すると良いでしょう。冷房が強い場所や急な天候変化に備えて、薄手の羽織ものを持っていくことをお勧めします。
- 靴: 快適なサンダルや運動靴がお勧めです。石畳や階段が多いので、ヒールの高い靴は避けた方が良いでしょう。
- 秋(9月〜11月)
- 服装: 秋も重ね着が基本です。薄手のセーターやジャケットを用意しましょう。特に10月以降は風が冷たく感じることがあります。
- 靴: 運動靴やブーツが適しています。雨の日もあるので、防水仕様の靴が便利です。
- 冬(12月〜2月)
- 服装: 厚手のコートやダウンジャケットが必要です。帽子、手袋、マフラーも準備しましょう。冬は風が強く冷たいので、防寒対策をしっかり行うことが重要です。
- 靴: 防寒、防水のブーツがお勧めです。滑りにくい靴底のものを選ぶと安全です。
修道院を訪れる際は肩や膝を覆う服装を!
- 修道院内のドレスコード: 修道院や教会などの宗教施設を訪れる際には、肩や膝を覆う服装が望ましいです。特に夏場はタンクトップやショートパンツは避けた方が良いでしょう。
- 天候の変化: モンサンミッシェルは天候が変わりやすいため、急な雨に備えて折りたたみ傘やキャップ、レインコートを持参すると安心です。
- 荷物: 長時間の散策になることが多いので、リュックサックやショルダーバッグなど、持ち歩きやすいバッグが便利です。貴重品はしっかりと管理してください。
8. まとめ l モンサンミッシェルは絶対に行くべき価値がある場所
モンサンミッシェルは長く伝統的な歴史、美しい建築、そして自然の絶景が融合した特別な場所です。一度は訪れていただきたいわたしの屈指のオススメスポットです!
この記事があなたのモンサンミッシェルの理解に一役買っていれば大変うれしく思います!
観光ルートをお考えの方は良ければこちらも参考にしてください♪
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